NPO法人田んぼBLOG
 

津波被災地の生物相の復興は予想以上

田んぼの生物相の復興は予想以上です。多、風沢島元屋敷浜の田んぼの生物相の回復力には、驚かされます。

私たちが初めて調査に入ったときのモニタリング結果が、8月14日の青いグラフに表されています。田んぼのには「ボラ(魚)」の幼魚が泳いでいるなど、田んぼの塩分濃度は5%を超えていて、海水の塩分濃度を超えていました。それが3ヶ月後の11月28日には赤いグラフの生物相に変わります。カゲロウの幼虫などの淡水の生きものを中心にした湛水に生息する種にがらりと変わったのが分かります(東北大学生命科学研究科とNPO法人田んぼの協働による風沢島元屋敷浜の市民モニタリング調査結果 2011より)。元屋敷浜の田んぼは、もともと天水に頼った田んぼで、上流にはため池や用水路もありません。雨水だけの復元力と、ボランテイアによる地道な復興活動が導いた成果です。

実は、水をためるだけでも脱塩は十分に可能です。塩は、水に溶けるとナトリウムと塩素に電離します。すると塩素イオンは、塩素同士でくっついて塩素ガスになって、空中に飛散します。学校のプールで先生たちが毎日のように塩素の固形物を大量にプールの水の中に投入することを思い出してみれば良いでしょう。塩素がいかにガスになりやすいかを証明しています。後は、ナトリウムイオンですが、ナトリウムイオンは粘土鉱物を吸着して、田んぼの表面に薄い膜を作って、酸素を遮断して中の土を窒息させてしまうことが問題となります。そこで人力で表層を軽く掻いて空気を送り込む必要があります。それさえ丁寧に行うことができれば、再び水をいれても、田んぼが窒息するようなことはありません。ナトリウムははアルカリイオンとして田んぼに多少残ることも、むしろ田んぼを健全な状況にします。マグネシウム不足の田んぼが覆い中、天然塩の「にがり」がマグネシウムそのものだと考えると、津波の運んできた水もま有効に利用すべきなのです。私たちは往々にしてマイナス面を取り除くことを主体に考えてしまいますが、津波の及ぼすメリットを生かす方法もまた積極的に考えるべきでしょう。今でも、田んぼに海の塩を毎年投入す百姓がいるということを忘れてはなりません。


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